ミッション1日目

Mission1敦賀自慢の
アマダイを知ろう!

敦賀自慢のアマダイを知ろう

まずは、福井県敦賀市にある「敦賀水産卸売市場」で、福井県嶺南振興局 二州農林部 林業水産課の中嶋尚美さんに「敦賀湾でどんな魚が獲れるのか」「アマダイの特徴や魅力」を教えてもらいます。若狭湾の中にある敦賀湾は、福井県北部に見られるなだらかな海岸線の海岸に比べて、ギザギザのノコギリのように入り組んだ形をしていて、さらに段々状に深くなっていることが、全国的にみても珍しい多様な生態の魚たちが生息する場所です。

敦賀自慢のアマダイを知ろう

また、「アカアマダイ」の名前は、「甘い味がするから」「頭巾(ずきん)を被った尼僧(にそう)に似ているから」などいろいろな由来があり、実は鯛(たい)ではないことも判明!さらに泥の中で生活していることも知り、意外な一面をたくさん知りました。アマダイは毎年8月頃によく獲れる魚ですが、平成7年までは200トン近くだった漁獲量が、現在は70〜100トンほどに減少してしまいました。一体、なぜ少なくなってしまったのでしょうか?

敦賀自慢のアマダイを知ろう

このアカアマダイは、歴史的にもかつて朝廷に献上(けんじょう)されたり、高級食材として扱われてきたおいしい魚であるため、平成17年から福井県として「若狭ぐじ」としてブランド化を進めてきました。令和2年には「越前がに」のように若狭ぐじにも「極」(きわみ)という最上級レベルの認定証も誕生し、漁師さんや市場の中で鮮度や品質を保つ工夫がますます行われるようになりました。

敦賀自慢のアマダイを知ろう

若狭湾で水揚げされた「若狭ぐじ」は、江戸時代には「鯖街道(さばかいどう)」を使って、歩いて天皇のいる都に運ばれていました。しかし、アマダイは鮮度が早く落ちるため、塩をふって開き干しにしたものが献上(けんじょう)されていたようです。明治時代にも、料理に関する著書で有名な作家の北大路魯山人(きたおおじろさんじん)によって、若狭ぐじの美味しさを書きつづった文章が残されています。アマダイは、美食家も認める素晴らしい味なんですね!

Mission2敦賀の市場を
調査しよう!!

敦賀の市場を調査しよう!

福井県内でもトップクラスの海産物取扱高を誇る水産市場を見学します。豊富な海産物が水揚げされるという敦賀港(つるがこう)では、どのような港で、どんな種類の魚が見られるのでしょうか?

敦賀の市場を調査しよう!

まず、国土交通省北陸地方整備局敦賀港湾事務所の皆さんに、敦賀港(つるがこう)の歴史について教えてもらいます。敦賀港は、すでに江戸時代には「北前船(きたまえぶね)」と呼ばれる交易船(こうえきせん)の発着場として、国内でも大きな港として機能していました。北海道や新潟、京都、大阪などの港を回り、各地の特産物をたくさん乗せた船が敦賀港にやってきて、また荷物を積み、出発して行ったのです。明治から大正時代には、海外との交易も行う国際的な港に発展し、現在は大型のコンテナ船やタンカーなどの船や、クルーズ船といった観光の大型船も出入りしています。

敦賀の市場を調査しよう!

次に、実際に市場で働く皆さんにお話をうかがいながら、魚を見ていきます。今回詳しく調査するアマダイは、「延縄漁(はえなわりょう)」と呼ばれる漁法が使われています。一本の長い縄に等間隔に短い「枝縄(はえなわ)」を垂らして、そこに釣り針を下げて海の中に下ろす方法で、エサはオキアミやホタルイカを使用します。この漁法は、一匹ずつ釣れるため魚に傷がつきにくいとされています。

敦賀の市場を調査しよう! 敦賀の市場を調査しよう!

調査隊はアマダイを実際にさわって、観察し、スケッチをしました。中には初めてアマダイを触った調査隊もいて、「近くで見ると赤白がとてもキレイ」と感動する様子も見られました。魚を新鮮に保つための冷凍庫にも入ってみて、巨大な氷を目の前にした調査隊はビックリ!市場調査によって、海で獲れた魚が食卓に出るまで、たくさんのスペシャリストが働いていることを知ることができました。

Mission3若狭湾の
資源調査をしよう!!

若狭湾の資源調査をしよう!

午後からは「福井県水産試験場」に移動をして、まず海洋研究部の石本所長さんから、水産試験場のしごとや役割についてお話を聞きました。福井県水産試験場では、海の水温や潮の流れを調べたり、魚介類を捕まえて大きさや数を調べたりしています。その他、稚魚を育てて放流したり、海の状態を調査・保存をする活動を行っていることがわかりました。

若狭湾の資源調査をしよう!

次に、福井県立大学海洋生物資源臨海研究センターの富永教授からアマダイの生態について詳しくお話をうかがいました。海中の様子を撮影した動画では、泥の中に潜り込むアマダイが見られました。アマダイは水深30〜150mも深い場所に生息しており、巣穴を作って生活しています。警戒心が強く、アマダイ同士で縄張り(なわばり)争いもするのだそうです。

若狭湾の資源調査をしよう!

いよいよ、アマダイの体の中を見てみるために、実際にハサミでお腹を切って解剖(かいぼう)してみることに。恐る恐るハサミで切って、アマダイの内臓が見えると「うわ〜!」という叫び声があちこちで聞こえました。中には、釣りに使われたと思われる針が出てきた魚も!内臓を見るのが怖いと感じながら、一生懸命(いっしょうけんめい)スケッチをしたり、これは胃かな?腸かな?とみんなで考えるチームもありました。

若狭湾の資源調査をしよう!

よく観察してみると、内臓が口元に引っ込んでいるものや、胃腸が黒くなっているものがありました。これは、海底から漁によって一気に海面に上がった時に、水圧が下がったことで内臓が口から飛び出てしまうことがあるそうです。また、泥に潜(もぐ)って生活をしているアマダイは、泥と一緒にエサを食べているため、胃腸の中にたくさんの泥が入り込んで黒く見えることもわかりました。

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